来週は、7回目の翻訳者のための書評講座です。ポール・オースターが4月に亡くなったので、「追悼会をやってみない?」と Bookpotter の一人から声が上がりました。だから今回はオースター追悼回です。
はは〜ん、今度から、著名な作家の訃報が届くたびに、この手で企画すれば良いんだな、しめしめ……と不謹慎にも思っていたら、アリス・マンローも続いてお亡くなりになられました。
特別企画を試みてよかったなと思ったのは、「オースターならば書いてみたい!」と名乗りをあげた新規参加者が何人か現れたことです。好きな作家のためなら、「追悼の意を表して書評を書きたい」気持ちはとてもよくわかります。
今週、参加者の書評を採点しているところですが、めいめいが何かしらの理由で選んだ作品の書評を読んでいると、オースターが作家人生を通して書こうとしていたことがわかるような気がしてきました。全作読んでいるという人はもちろん、今回初めて読んで書評を書いた人にも結構楽しい採点作業になるのでは?と私は思います。
はじめて海外文学を手にとる人に向け、やさしく書いている書評もあれば、海外文学に精通した人に響く骨太な書評、映像の世界に広げて紹介をする書評、3作紹介書評など、いろいろでした。まさに、オースターの作家人生を祝福し、すてきな書評集を読んでるみたいな、そんな採点作業でした。
次回はアリス・マンローで行こうか!? なんて本気で思ったりもします。書評講座もアイデアを捻ると楽しいです。このニュースレターを購読してくださる方がかなりいらっしゃって、「面白い企画なら、初参加してみたい」と様子見している方も多いようです。「お?」と気になる企画回のとき、あるいは通常回でも、気軽な気持ちで参加してください。書評を書くのは大変かもしれないですが、「何かを人に勧めるのには、どういう勧め方があるのか」を深く学べますよ!
そうそう、今回書評を書くにあたり、オースターが脚本を書いた『SMOKE』を観ました。内容に触れるのはやめておきますが、海賊みたいに黒い眼帯の女性が出てくる映画って、『SMOKE』と『ツインピークス』だけのような気がします。他にもあるのかな。知っていたら教えてください!
今週の書評
Bookpotter の眞鍋恵子さんの書評がこちらに掲載されています。ぜひお読みください!
「図書新聞」No.3642(2024年6月8日)に原田マハ著『板上に咲く――MUNAKATA: Beyond Van Gogh』(幻冬舎)の書評が掲載されました。
https://note.com/yasushi_kaneko/n/n114b8ea57d73
今月読書会します
少人数制なので公募はしていないですが、今月『死んでから俺にはいろんなことがあった』の読書会をします。みなさんも是非読んでみてください。というか、みなさん、今どんな本を読んでいますか? よかったらコメント欄に書いて教えてくださいね。