こんにちは、みなさん。もう10月ですね。今年やろうと思っていたこと、まだやってません。一つだけ、前進してるのは、同人誌づくり!
NYTベストセラー書と呼ばれるには?
最近、あるノンフィクションの作家を追いかけていたところ、「僕の本はNYTのベストセラー書をギリ逃した」と書いているのを見かけました。NYTベストセラー書になるには、刊行直後の1週間で4000部以上の売り上げがないといけないとのこと(検索すると、他のサイトでは5000部とあります)。その作家の著作は3900部を超えたところでとまり、4000部に届かなかったそうです。1週間で4000部だなんて、驚異的な数字に思えますが、英語圏ならではの数字なんでしょうか?
訳者インタビュー vs 訳者による書評
先日、「文学ラジオ空飛び猫たち」に訳者久保田祐子さんがゲスト出演され、訳書『アンダー・ゼア・サム』について熱く語っていらっしゃいました。とても面白いので是非聞いていただきたいのです。最近、私は「セルフブランディング」についてインタビューを受けたことや、翻訳者による翻訳作品の書評を勉強中なこともあって、非常に興味深く、このポッドキャストを聴きました。
ホストの2人との会話のキャッチボールで、ライブ感たっぷり。どんどんと共感が熟成されていきます。いつの間にか3人で1冊の本を推している。本の魅力も翻訳秘話もたっぷりで、盛りだくさん。訳者がこんなに一生懸命に取り組んだ作品なら是非とも読んでみたい、自分が読まなくても、ローリング・ストーンズ好きの友人に贈りたい、そんな気持ちが自然と湧いてくるような内容でした。
で、これが訳者による書評だと、どうだろう? と考えてしまいました。
ライブ感は作れない。共感の熟成も、あるとすれば評者の知らないところで起きる。必ずしも共感を誘わなくていい。
字数が限られているので、多くを語れない。
あらすじがピシッと書ける。
書評を読むのは時間がかからない。記録に残しやすい。人にシェアしやすい。
批判しやすい(書評で批判をするケースは少ないとは思いますが)。
誰に読んでほしいのかを明確にできる。
話し相手がいなくてもできる。悪く言えば、一方通行。
ひょっとしたら、小難しい内容の本はポッドキャスト向きでないかも?
ぱっと浮かんだ点を挙げてみましたが、訳者がどんどんと前に出ていく機会を自ら作り出せる今、他人のポッドキャストやユーチューブに自分から出ていくのもいいのではと思いました。その場合、何を話すかの準備が要るので、私たちの書評講座で学んでいることは、かなり応用できると思いました。
久保田さんはお話も上手ですし、「文学ラジオ空飛び猫たち」のホストのお二人も大変に聞き上手なので、「本のプレゼン方法」の視点でも是非聴いてみてください。
今週の書評
BOOKPOTTERの上原尚子さんの書評が、9月29日号の週刊『読書人』に掲載されています。書評されたのは、『リラの花咲くけものみち』(光文社、藤岡陽子著)。獣医を目指す女性が主人公の小説なのですね。是非是非、上原さんの書評&作品をお読みください!
応援・シェアのお願い
私事で恐縮ですが、最近ノンフィクションで新訳を担当しました。私の訳書に先行して、こちらの訳書を刊行するため、その出版社が今クラウドファンディングをやっています。科学と政治にまつわるノンフィクションに関心のある方、シェアしていただけるとうれしいです。