第10回翻訳者のための書評講座、開きました
書評をした本が全部見事にばらけた回でした
みなさまこんにちは!
第10回翻訳者のための書評講座は先週無事終了しました。今回も学びが多く、雑談も含めて楽しかったです。今回は、書評6本と少なめだったのですが、作品がかぶることなく、見事にばらけました。
課題書は以下の3冊だったのですが、どの課題書にも書評が出ました。書評が書きづらい! それを見越しての豊﨑さんの選書なのですが。
ジョゼ・サラマーゴ『修道院覚書』(木下眞穂訳、河出書房新社)
ジェニファー・イーガン『キャンディハウス』(谷崎由依訳、早川書房)
リチャード・フラナガン『第七問』(渡辺佐智江訳、白水社)
あとは、
ジョゼ・サラマーゴ『象の旅』(木下眞穂訳、書肆侃侃房)
トマス・リゴッティ『悪夢工場』(若島正編訳 白石朗・宮脇孝雄訳 河出書房新社)
ジドルー作、ユディット・ファニステンダール画『くじら図書館』(川野夏実訳、小さい書房)
で、『くじら図書館』は「なりきり」の訳者あとがきでした。あとがきですが、今回の書評王に輝きました! かとうさん、おめでとうございます。
みなさん、あらすじをまとめるのが難しい作品に挑戦したり、形式に工夫を凝らしたりと、意外な文体、面白い書き出しに唸らされました。みなさんからの指摘と提案で、文章が格段によくなったりするのも有り難かったです。合評中にいただく提案は、あとで考えると、違ったアプローチで書けることに気づくきっかけにもなります。
豊﨑さんからは確かに厳しい指摘を受けるのですが、「この文体でいくなら、XXXシリーズみたいな感じにすればいい」とか、「この順番で短編を紹介しているのはとてもいい」とか、「ここは具体例を作品から引っ張ってきたほうがいい」と、次にどう修正すればいいのか、方向性を示してくださいます。自分の書評が講評されるときはハラハラドキドキでも、他の人の書評の講評にはもっと冷静に耳を傾けられる。何より、豊﨑さんの作品解説を聞き、作品の理解度が深まるのもありがたいです。
わたくし新田の書評は今回も中の下でしたが、講評中に評価を上げてもらえました。私はつまらない書評を書きがちなので、もう少し、インパクトのある工夫を次回はしてみたい。どうせ外に向けて発表する書評じゃないから、挑戦!
雑談タイムには、本を紹介する動画やオーディオブックについて話しました。文章と音声って対立もするけど、相互に補いもしますよね。みなさん、オーディオブック聴きますか? 私は翻訳したい本を探すときに、さっと内容を掴んで、文章のリズムを知りたいときにオーディオブックを3分の1くらい聴きます。
また次の書評講座も開こうと思ってます。
今週の書評
上原尚子さんの書評です。
・『図書新聞』3717号(2026年1月1日)に、『フルハウス』(堂場瞬一著、東京創元社)の書評が掲載されました。
・『図書新聞』3718号(2026年1月10日)に、『インド映画はなぜ踊る』(高倉嘉男著、作品社)の書評が掲載されました。
待場京子さんの書評です。
・『図書新聞』3719号に、チョン・ジア著『資本主義の敵』(橋本智保訳、新泉社)の書評が掲載されました。
引き続き、トロントの生活情報誌「Torja(トルジャ)」でも「翻訳の窓から — 書評で読む世界」というコラムで、Bookpottersが書評を書いています。紙版が先行するので、2カ月ほどずれて下記リンクからもお読みいただけます。
次の読書会
2月6日(金)の読書会の課題書は、マリアーナ・エンリケス『秘儀』(宮崎真紀訳、新潮社)です。
3月27日(金)には、ジョゼ・サラマーゴ『修道院覚書』で読書会します。木下眞穂さんに来ていただく予定です。すご〜く楽しみ!
読書会に関心のある方はknsbookclub@gmail.com宛にメールでご連絡ください。書評講座からご参加いただくとより楽しめると思います。

